Actinide Sciences Research Groupアクチノイド科学研究グループ

研究テーマおよび業務

  1. 放射光X線分光によるアクチノイド化合物の基礎物性研究
  2. 福島環境回復研究や廃炉研究
  3. 難分離性元素・同位体の分離
  4. 地層処分に関わる物性評価
  5. 超プルトニウム元素の化学
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グループリーダー
藤森 伸一

研究内容

アクチノイド科学研究グループでは、アクチノイド元素を含む物質系に対する物理的・化学的な研究を進めています。特に当グループが研究を展開している原子力機構専用ビームラインSPring-8 BL22XU及びBL23SUは放射性物質を取り扱うことのできるRI実験棟に実験装置を設置しており、アクチノイドを対象とした放射光X線分光実験を行うことができる世界的にも例が無い最先端の研究施設となっています。

1. 放射光X線分光によるアクチノイド化合物の基礎物性

 基礎物性物理学の観点では、アクチノイド化合物は強相関電子系であり、多様な新奇物性を発現しています。その物性発現機構を明らかにすることを目的として、放射光X線分光による電子状態および磁性状態の研究を行っています。当グループでは、軟X線ビームラインBL23SUに軟X線角度分解光電子分光(ARPES)装置、軟X線吸収磁気円二色性分光(XMCD)装置、走査型透過X線顕微鏡(STXM)装置を整備しています。ARPESは固体のエネルギーバンド構造やフェルミ面を実験的に導出することが可能な実験手法ですが、特に入射光として軟X線を利用することによって、強相関電子系等のバルク電子状態に対する研究を進めています。また、軟X線領域では遷移金属におけるp軌道吸収端や希土類・アクチノイド原子のd軌道吸収端を直接励起することが可能であるため、磁性を担うd, f軌道のスピン・軌道モーメントをXMCDによって直接観測し、その磁性状態を明らかにする研究を行っています。STXM装置はX線を数十ナノメートル程度まで集光することによって空間分解したX線吸収スペクトルを測定する手法であり、微小領域の電子状態評価が可能です。環境試料や廃炉研究試料など、空間的に不均一な試料の分析研究を行っています。また、放射光分光技術や実験装置の開発・高度化を行うとともに、JAEA専用ビームラインで行われる施設供用実験の利用者支援も行っています。

2. 福島環境回復研究や廃炉研究

 硬X線ビームラインBL22XUには硬X線光電子分光(HAXPES)装置を整備しており、非常に高いバルク敏感性を利用して、Csを含む環境試料や、原子炉内構造材の模擬試料等に対する研究を行っており、福島環境回復研究や廃炉研究にも貢献しています。また、化学的手法により汚染土壌中の粘土鉱物、特に風化黒雲母にセシウムが強く吸着していることを突き止め、ボールミルによる物理粉砕、層間拡張剤による化学処理、溶融塩電解などによりセシウムの高効率脱離法を探っています。また、そこから派生した技術として、処理土壌からの熱電物性の発現やストロンチウム吸蔵効果の発見など、土壌の再資源化の可能性も研究しています。さらに、廃炉技術として1F燃料デブリの性状把握や汚染水から取り出し後の状態変化を予測するための基礎研究も行っています。

3. 難分離性元素・同位体の分離

 ランタノイドやアクチノイドをはじめとする難分離性金属イオンに対して、有機配位子の設計と合成、溶媒抽出や沈殿分離による相互分離、錯体構造や分離メカニズムの解明を進めています。また、f−f遷移を利用したレーザー光酸化還元やテラヘルツ波による量子ウォーク同位体分離法などの革新的分離原理の実証にも取り組んでいます。

4. 地層処分に関わる物性評価

 地下水による長寿命核分裂生成物の移行挙動の研究として、セレンの化学形態を知るために、サイクリックボルタンメトリーによる標準電極電位の精密測定を行っています。

5. 超プルトニウム元素の化学

アインスタイニウムのXAFS測定により水和構造を観察しイオン半径を決定しています。極微量RI溶液試料から金属イオンの電子状態を探る上で、当グループが原子力科学研究所第4研究棟において取得しているRI試料密封化の許可及び播磨放射光RIラボラトリーにおいて実施可能な密封RI線源の高輝度放射光による超高感度XAFS測定技術が強力なツールとなります。今後も、この優位性を活用して他のRI核種についてもXAFS測定を継続していきます。

グループメンバー

氏名 役職 担当装置 専門分野
藤森 伸一
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グループリーダー ARPES 光物性物理
竹田 幸治 マネージャー XMCD, STXM 軟X線分光、固体物性物理
本田 充紀
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マネージャー BL27B XAFS (KEKPF), SEM (RI) X線吸収分光、溶融塩化学、電気化学、熱電物性
横山 啓一
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量子化学計算、同位体分離
下条 晃司郎
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研究主幹 ICP-MS (SP8) 分析化学、分離工学、合成化学
土井 玲祐 研究副主幹 BL23SU STXM (SP8) 電気化学
小林 徹 研究副主幹 BL22XU XAFS (SP8) X線吸収分光、単結晶構造解析、錯体化学
川崎 郁斗 研究副主幹 ARPES 強相関電子系、磁性
谷田 肇
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技術副主幹 BL22XU光学系, XAFS (SP8) XAFS、X線分光学、分析化学、溶液化学
小畠 雅明 技術副主幹 HAXPES 福島第一原発事故関連試料の放射光分光分析
芝田 悟朗
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研究系職員 XMCD, STXM 磁性、強相関電子系
山上 浩志 客員研究員 物性理論、固体電子論、磁性
関口 哲弘
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研究主幹 BL27A XPS (SP8) X線光電子分光、X線吸収分光、光電子顕微鏡、表面界面反応
金田 結依
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技術系職員 XRD等(東海), ICP-MS (RI) 化学分析
早川 虹雪 特別研究生

論文について

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最近の研究紹介

軟X線角度分解光電子分光による強相関電子系ウラン化合物の電子状態の解明

 軟X線放射光を用いた角度分解光電子分光実験により、多様な強相関ウラン化合物のバンド構造やフェルミ面を実験的に解明しています。また、実験結果を相対論的バンド構造計算と比較することによって5f電子状態を明らかにし、その物性発現機構に繋げる研究を行っています [(Invited Review) S. Fujimori et al., J. Phys. Soc. Jpn. 85, 062001 (2016).]。その中でも、2018年末にスピン三重項超伝導体であることが発見されたUTe2は、量子コンピュータにおける超伝導量子ビットとしての応用可能性が見いだされ、世界的にも極めて競争的な研究が進められていますが、当研究グループでは世界に先駆けてUTe2の電子状態を明らかにすることに成功しました。

ARPESによって明らかにしたウラン化合物のバンド構造およびフェルミ面

鋳型錯体分離法

ランタノイドやアクチノイドなどのf電子系元素はイオン半径などの化学的性質が類似しているため分離が難しく、特に隣り合った元素同士の効率的な分離は非常に困難です。そこで我々は、通常のイオンサイズ認識だけではない鋳型分離という原理を提案しました。この分離法では2種類の配位子を用います。第一の配位子がイオンサイズのわずかな違いを認識し錯体構造(鍵穴)に大きな違いを生み出します。ここに第2の分子(鍵)をはめ込むことで沈殿などを起こし、選択性の高い分離を目指す方法です。現在のところPr/Ndの分離係数で3程度を達成しています。錯体の単結晶X線構造解析や溶液試料のXAFS測定などにより錯体構造や分離メカニズムを解明し、さらなる高性能化を目指しています。

DODGAA及びTONAADAによる溶媒抽出

図1 溶媒抽

商用化を見据えた安価で高性能な抽出剤の開発も行っています。最近の例としてジオクチルジグリコールアミド(DODGAA)やテトラオクチルニトリロ酢酸ジアセトアミドTONAADAについて紹介します。

現在、放射性核種の回収、金属資源の分離精製、有用金属のリサイクル、産業廃水の浄化、微量金属の分離分析等の重要性が高まり、金属イオンを効率的に分離する技術が求められています。その分離回収技術の1つに溶媒抽出法(図1)があります。この手法は互いに混じり合わない2つの液相間における溶質の分配性の違いを利用した分離技術です。例えば、適当な抽出剤を含む有機溶媒に目的金属イオンを含む水溶液を接触させると、抽出されにくい金属イオンは水溶液中に残留し、抽出されやすい金属イオンのみを選択的に有機溶媒中に移動させることができます。さらに有機溶媒中に抽出された金属イオンを別の水溶液を使って逆抽出することで、目的金属イオンを回収し、有機相は抽出に再利用することが可能です。この溶媒抽出法は 連続操作が可能で、生産性が高いことから工業的に利用されており、資源の安定確保や環境保全に資する技術として期待されています。

我々は難分離性の金属イオンを高効率に分離可能な溶媒抽出システムを開発し、廃棄物処理や資源問題を解決できるよう、研究を行っています。例えば、溶媒抽出法における抽出分離効率を改善するために新規抽出剤の開発を行っており、安価で高性能な抽出剤としてジオクチルジグリコールアミド(DODGAA)やテトラオクチルニトリロ酢酸ジアセトアミドTONAADAを開発しました(図2)。

図2 抽出剤の構造
これらの抽出剤は下記のような実用化に求められる性能を満たしています。
  1. 容易に製造が可能(DODGAA:1ステップ、TONAADA:2ステップ)
  2. 様々な有機溶媒(第3石油類等)へ溶解する
  3. 抽出容量が大きく、抽出速度が速い
  4. 水相への溶出が極めて少ない。
  5. 金属イオンの抽出と逆抽出をpHによって容易にコントロールできる。
  6. 酸などに対する耐久性が高く、繰り返し利用が可能である。

DODGAAの性能について

DODGAAは下記のような抽出分離能を有しています。
  1. 軽希土と重希土の分離
  2. 隣接軽希土間の分離(ネオジムNd/プラセオジムPr)
  3. 希土類金属と卑金属(Fe, Zn, Al等)の分離
  4. 有害金属(Hg, Pb)の除去
図3 DODGAAによる希土類金属の抽出分離

例えば、図3のように、DODGAAは希土類金属(レアアース)の分離が可能です。重希土に対して選択性を示しますが、特筆すべきは、隣接軽希土間(例えばNd/Pr)の分離に優れています。ジジム合金を原料としたNd廃磁石からNd(III)とPr(III)を分離し、純度99.9%のNd(III)を回収するには、先行技術で72段の工程を必要としますが、DODGAAを使用することで1/3の24段に低減することが可能です。

TONAADAの性能について

TONAADAは下記のような抽出分離能を有しています。
  1. 希土類金属からのスカンジウムScの分離
  2. リチウムイオン電池からのコバルトCo, ニッケルNiの分離
  3. Al, ZnからのインジウムIn, ガリウムGaの分離およびInとGaの相互分離
  4. 貴金属(白金族金属)の抽出
  5. モリブデンMo, タングステンW, レニウムReの抽出
  6. 有害金属(Hg, Pb, Cd)の除去
図4 TONAADAによる様々な金属の抽出分離

TONAADAはDODGAAを改良した化合物で、様々な金属に対して高い抽出分離能を示します(図4)。
例えば、Scは希土類金属の中で最も高価な金属ですが、全希土類金属を含む混合液からScのみを1回の抽出操作で分離回収が可能です。また、ITOや半導体の普及と共にInやGaの需要が拡大していますが、TONAADAはZnやAlからInおよびGaを選択的に分離できるため、亜鉛精鉱や産業廃棄物からInとGaを効率良く回収することが可能と考えられます。さらに、リチウムイオン電池には正極材原料としてCoやNiが含まれており、Co, Niの益々の需要が予想されますが、その一方で、使用済みとなったリチウムイオン電池が大量に廃棄されています。また、南鳥島周辺の海底にあるコバルトリッチクラストには高品質なCoとNi等が含まれており、その分離回収法が望まれています。TONAADAは卑金属に比べCoとNiに高い選択性を有するため、Co, Niの分離回収に利用できると期待されます。また、白金族金属は排ガス触媒や電子機器などに使用されていますが、これらの2次資源からPd, Pt, Rhのような高価な白金族金属の回収にTONAADAが利用可能と考えられます。

より詳しい内容はJST新技術説明会での発表資料および動画を参照ください。
発表資料: https://shingi.jst.go.jp/var/rev0/0001/0494/2019_JAEA_3.pdf
発表動画: https://www.youtube.com/watch?v=7BF18I-8rCs

当グループでは、研究成果の普及、社会貢献、イノベーション創出のため、民間企業との連携を推進しております。抽出剤は有償ではございますが、提供可能です。ご興味のある方は下記まで気軽にお問い合わせ下さい。
下条 晃司郎(メールアドレス

特許

DODGAAについて
  • 特許第5035788号、特許第6108376号(以上、2件単願)
  • 特許第5299914号、特許第5392828号、特許第5487506号、特許第5499353号、特許第5569841号、 特許第5679158号、特許第5679159号(以上、7件共願:信越化学工業㈱)
TONAADAについて
  • 特許第6614654号、特許第6693646号、特許第6693647号、特開2019-055929(以上、4件単願)

f-f遷移を経由する光酸化還元

相互分離の難しいf電子系元素に対して、化学的な手法のみではなく分光学的な手法を組み合わせた方法の原理実証を進めています。f-f遷移による光吸収は溶液中でも原子スペクトルのように狭い線幅を示すため、元素選択原理としてこれを利用できれば飛躍的に分離の選択性を高められるはずです。当グループではユウロピウムの2光子還元反応やアクチノイドの光酸化反応の観測に取り組んでいます。右の動画は3価のユウロピウムのアルコール溶液に波長可変レーザーを照射したときの様子です。レーザー波長をf-f遷移の吸収波長394nmに設定して照射すると激しく還元反応が起こり2価のユウロピウムと水素ガスが発生します。レーザー波長が数nmずれるとこの反応は観測されません。分離剤をあらかじめ添加しておけば価数変化した物だけを抽出または沈殿させて分離が完成します。

量子ウォーク同位体分離

量子ウォークはランダムウォーク(酔歩)の量子力学バージョンです。ランダムウォークは拡散現象の数理モデルなので、量子ウォークは量子力学的な拡散の数理モデルということになります。つまり、物質が波動関数の性質を残したまま拡散すれば量子ウォークになります。なので、かなり普遍的な話かと思いきや、量子ウォークが注目され始めたのは21世紀になってからです。まだ物理的な実装もほとんど報告されていなかった2009年、我々はレーザー量子制御の研究中に考案した同位体分離スキームが驚異的な分離係数を示すことを計算機実験により見出しました。そしてその革新性が量子ウォークに由来することをつきとめました[Matsuoka11]。現在、実験による原理実証研究及び原理の一般化に向けた研究を機構内外の物理学者や数学者らと共に進めています。原理をひとことで説明すると次のようになります。古典的拡散では個々の粒子は運動の方向に関する記憶を保持しませんが、量子力学的拡散では運動方向に関する記憶が波動関数の位相として残ります。そのため古典的拡散とは全く違う現象が起こります。

具体的な特徴としては(1)拡散速度が試行回数の1/2乗ではなく1乗になる、(2)拡散の極限分布がガウス分布ではなく真逆の逆釣り鐘型分布になる、(3)位相のごくわずかな乱れにより分布が全く動かない局在化が起こる、などの奇妙な性質が数学的に解明されてきました。新しい同位体分離スキームはこれら3つの特徴全てに依拠しています。下図は、このスキームの革新性を説明するために、既存の代表的な重元素同位体分離法との違いを模式的に表した図です。(a)ガス拡散法では拡散速度の同位体差は極めて小さく、分布のずれはほとんど視認できない程です。(b)遠心分離法では重い同位体を含む分子がわずかに外側に偏って分布しますが分布全体の関数形は同じで重なりは解消されません。従って、濃縮には有効ですが分離には不向きです。(c)レーザー法では単一エネルギー準位でのみ完全な選択が可能なため、分離係数(=製品中の同位体比/廃品中の同位体比)はあまり稼げません。また、1回の操作で全体のごく一部しか処理できません。(d)これらに対して、量子ウォークによる同位体分離では分布全体が乖離するため分離係数が飛躍的に向上すると共に、1回の操作で全体を分離可能なことから処理速度向上に対する優位性もあります。つまり、革新性の要は、分布全体が乖離する原理であることです。使用済み燃料中の有害核種の分離や希少核種の産業利用など、核反応を利用する場面では常に、重元素の精密同位体分離の要請が生じます。これまではその実現を期待させる原理すらありませんでした。しかし、この新しい原理により可能性が拓けると考えています。 参考文献: L. Matsuoka et al., GLOBAL2011, 2136(2011).

量子ウォークによる同位体分離の研究は、上述した原理的研究の他に光反応の実証研究及び回収反応の実証研究も行っています。まずは、セシウムの同位体分離を想定して実証研究を進めています。作業分子としてヨウ化セシウムを用い、セシウムの同位体を峻別して同位体選択的にヨウ化セシウム分子を光分解させるシナリオです。光分解により生成するセシウム原子と分解しないヨウ化セシウム分子を区別して回収する仕組みが鍵となります。量子化学計算により、回収材候補としてC60の適性が示唆されたため、実際にセシウム原子及びヨウ化セシウム分子に暴露したC60薄膜を放射光分析により調べました。その結果、計算予想通り回収材候補として優れた性質があることを確認しました。

汚染土壌からのセシウム高効率脱離技術の開発

福島環境回復への貢献をめざして汚染土壌からのセシウム高効率脱離技術の研究開発を行っています。上の例はボールミルによる物理粉砕を用いた脱離試験のようすです。主要な粘土鉱物の一つである風化黒雲母の層間にセシウムが強く吸着することで除去が難しくなっていることを、これまでの研究により明らかにしました。層間からセシウムを取り出す方法としてボールミルを用いた物理粉砕や層間拡張剤による化学処理などを試みています。ミクロンオーダーの粘土鉱物試料では、物理粉砕により最大で8割程度のセシウムを除去できることが分かりました。

溶融塩電解による汚染土壌のセシウム脱離と再資源化

セシウム脱離処理後の土壌を再資源化できないか?脱離技術研究から派生したテーマです。溶融塩電解処理した土壌試料中に極めて高いゼーベック係数を示す領域が見つかりました。これに着想を得て、自然界に豊富にあり安価かつ安全な土壌を出発物質として機能性材料を創出する試みを開始しました。特に熱電材料に関しては、従来の開発手法とは正反対の多成分複雑系からのアプローチであることから、新しい知見が得られる可能性があります。

燃料デブリの性状把握

東京電力福島第一原子力発電所(1F)の燃料デブリ取り出しなど廃炉技術に貢献するために燃料デブリ等の放射光分析を予定しています。播磨放射光RIラボラトリーで申請を準備している核燃料使用の許可がおりれば極微量の1F汚染物の密封試料に対してXAFSなどの放射光X線分析を行い、燃料デブリ等の化学的状態を明らかにできると考えられます。現在は模擬デブリ及び加速器で発生させたγ線を使って事故時の環境を模擬し、ウランの化学状態変化を調べています。

地層処分場における長寿命核分裂生成物の地下水移行挙動評価

地層処分場から漏れ出す放射性核種の環境中への移行評価の精度を上げるために、重要な元素の一つであるセレンの化合物について化学的安定性を精密に調べています。サイクリックボルタンメトリーによる標準電極電位の精密測定により地層処分場の環境での化学形態を正確に予測することができます。また、EXAFSやXANES測定によりセレン化合物の電子状態に関する情報を取得し評価に役立てています。