2023.1.4
皆様、新年明けましておめでとうございます。 物質科学研究センターのセンター長を務めております中島です。 皆さんは、この年末年始、どのように過ごされましたでしょうか?
昨年は、世間も機構も慌ただしい一年でした。 そのような中で、皆様、その過ぎた年を思い返し、この新しい年に向かって思いを新たにする、そんな時間をご家族、ご友人、大切な方々と、あるいは、一人ゆっくりと過ごせていたらと思います。
振り返りますと、昨年は我々物質科学研究センターの体制が大きく変わった1年でした。
私自身も、四月から前武田センター長の後を引き継ぐ形で新たにセンター長を務めさせていただくこととなり、また、それに伴い、副センター長、推進室長、ディビジョン長等々とセンター内の多くの方々の立場が一新された年でした。
私も新任のセンター長として、不慣れ故に、皆様にいろいろご迷惑をおかけした一年だったかと思います。
それでも、大過なくセンターを運営できたことは、ひとえにこの不慣れなセンター長をセンター職員の皆様が支えてくださり、原子力科学研究所や機構内、そして、関連する機構外の多くの方々が助けてくださったおかげです。感謝したいと思います。ありがとうございました。
さて、物質科学研究センターは、JRR-3及びSPring-8にて中性子、放射光を利用する実験装置を所有し、それらを運用するということが、他の研究センターにない強みとなっております。 2021年のJRR-3再運転以来、センターの両輪となる放射光、中性子の両施設にセンターが設置運営している計測装置群が順調に稼働し続け、センターの研究を支えているのはまことに喜ばしいことです。
特に、昨年は、関係された皆様のご尽力の下、播磨地区のRI実験棟の少量核燃物質使用施設としての運用も無事に開始され、センターは、また研究における大きなアドバンテージを一つ増やしました。 RI実験棟では、福島第一原子力発電所から採取した実試料の分析も来月から始まります。
他ではできない、センターだけができる研究により、これまで以上に物質科学研究センターが機構のミッションとそれを通じた社会への貢献にまた一つ深くコミットできることを、センター長としても喜ばしく思っております。
未来に目を向ければ、中性子、放射光を使った測定手段のプロフェッショナル集団である物質科学研究センターとしては、そういう自分たちの測定手段に磨きをかけて、そこから生み出される研究成果の価値を継続的に高めていくことが、機構の中で、日本の中で、世界の中で重要であることはいうまでもありません。
放射光においては、着々と準備が進みつつあるSPring-8 Ⅱ計画の中で専用ビームラインを持つ組織としてコミットを続け、 中性子においては、例えば敦賀地区に作られる新試験研究炉での中性子実験装置の設計やそれらを使った研究にかかる計画への関わりも欠かせないでしょう。 物質科学研究センターに期待されていることは多く、我々はそれに応えていかなければならないと思っております。
放射線利用計測に係る技術を一層磨きながら、現状の資源を最大限に活用し、さらに、国外の動向も睨みながら、その先を目指す。 そうして、さらに豊かな研究成果を得ていく、物質科学研究センターは、常にその姿勢で臨みたいと思います。 今年一年が皆さんにとって実りの多い年でありますようにお祈りさせていただき、私の挨拶を終わらせていただきます。
令和6年1月4日 センター長 中島健次